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共感が伝わる8つの応対方法

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こんにちは。CallConnectライターチームです。

共感力はお客様との良好なコミュニケーションを図るうえで欠かせない力です。日々お客様と接するオペレーターにこの力が身に付いていないと事務的な印象を与え、最悪の場合クレームになり、企業イメージを損ねてしまいかねません。

逆に、コールセンターとして組織的に共感力強化研修を実施していくと、期待以上の応対によって顧客満足度が向上し、結果的には継続率・収益の増加につながります。

この記事は、コールセンターで共感が必要な事例を元に、共感が伝わる8つの応対方法を解説していきます。

この記事を読むと、共感力の強化研修に役立つヒントを数多く得られるでしょう。

共感とは

共感とは,他人の気持ちや感情を理解する力です。ウェブ百科事典の「コトバンク」による説明では次のようになっています。

共感とは,他人気持ちや感じ方に自分を同調させる資質や力を味する。すなわち,他人の感情や経験を,あたかも自分自身のこととして考え感じ理解し,それと同調したり共有したりするということである。その結果,ヒトは他人のことをより深く理解することができる。」

引用元:コトバンク

つまり共感とは、第三者の感情や経験を、あたかも自分自身のことのように感じ、感情移入するということです。

初めて会った人でも、話しやすい人とそうでない人がいます。しかし、「話してみるとすごく話しやすくて意気投合した」という経験はないでしょうか?それが共感の力です。

これは単なるスキルではなく、「人柄」ともいえるかもしれません。人に共感できる人は思いやりがあって優しく、人の痛みや悩みがわかり、さらに「どうにかして力になってあげたい」と思うものです。

そのような姿勢をもっていれば、人としての心の通った応対ができます。

形式的な共感と本質的な共感との違い

形式的な共感と本質的な共感との違いは何でしょうか?例えば、銀行口座の名義変更を希望する電話がかかってきたとします。

応対していく中で「契約者様が逝去されたために名義変更を希望されている」とわかった時に、どのような言葉をかけられるか考えてみましょう。

①「かしこまりました。では、名義変更に関する書類をお送りいたします。」

②「左様でございましたか、大変な状況の中ご連絡ありがとうございます。」

③「左様でございましたか…。それはさぞかしお辛いでしょうね。大変な状況の中ご連絡ありがとうございます。」

上記①~③のうち、どれが最も共感が表れていると思われますか?

①は事務的な対応です。②はだいぶ良くなりましたが、棒読みだとあまり伝わりませんし、ありきたりな言葉で「形式的に言っているだけだ」と受け取られかねません。

一方、③は言葉だけでもある程度共感が伝わってきます。あとはどの程感情を込めて伝えられるかです。

このように、本質的な共感は感情が伴っており、③はもちろん、②であったとしても十分に共感を伝えられます。

共感強化研修の重要性

共感力の高いオペレーターは、相手の言動や声の調子の細かな違いから考えや感情を読み取るのが得意で、お客様の反応に応じて言葉を選びます。

そのため、お問い合わせがクレームに発展するのを防ぎ、お客様に喜んで頂ける対応ができるというメリットがあります。

また、コミュニケーションがスムーズで、お客様側から見ても非常に話しやすく、気持ちよく問い合わせを終えることができるのです。

コールセンターで受け答えがスムーズなオペレーターは、単に頭がさえているわけではなく、お客様の話を聞く姿勢や、適切な相槌を打つなど印象の良い電話応対が自然にできています。

加えて、共感力は円滑なコミュニケーションに役立ち、初対面でも好印象を抱いてもらえる、実は重要な素質です。

共感力を磨くと、期待以上の応対に顧客満足度やCX*1が向上し、結果的には契約の継続・収益の増加につながります。

コールセンターは企業と顧客が直接的につながる重要な接点であり、その対応によって、企業に対する顧客のイメージは大きく変わります。そのため、企業の顔としてのオペレーターひとり一人の働きが重要になってくるのです。

研修によって強化できる共感力

共感力は誰もが初めから身に付いているわけではなく、初めて会う人に日常的に共感する機会は今までなかったかもしれません。

また、どちらかというと一般的には「感情的」といわれる女性よりも、論理的思考の方が多い男性にとって、共感は特に難しいでしょう。

しかし、共感力は研修によって強化できますし、オペレーターとして仕事をする上で避けて通ることはできない課題です。コールセンターとして組織的に、系統立てた共感力強化研修を実施していきましょう。

初めは慣れていないために形式的になってしまうオペレーターもいるかもしれませんが、日々感情を込めるよう意識して実践すると、少しずつ身に付いていきます。

研修の効果を持続させるためには、研修の実施後も、継続的に共感できているかを定期的にモニタリング・分析・評価し、フィードバックしていく必要があります。

電話を受ける前から始める共感とは?

共感すべきポイントは電話を受ける前から始まっている場合があります。「まだ何も話していないのにどうやって共感できるのか」と、不思議に思われるかもしれません。

具体的にいうと、オペレーターにつながるまでの時間が通常より長くなっている場合です。

電話口での待ち時間は実際よりも長く感じるので、お客様が「待ち時間が長い」とは言わなくても、オペレーター側から、「大変お待たせして申し訳ございません」と、一言謝辞を添えるだけで不満は少し和らぐでしょう。

「電話の向こうでお客様が待っている」ことを想像し、お客様の心情をイメージすると、共感や思いやりのある対応につながります。

一方、日常生活で当たり前のように共感している場面もあります。例えば、遠くに住んでいる友人が、自宅にわざわざ訪ねてきてくれたとしたら、どんな言葉をかけるでしょうか?きっと「遠いのに、わざわざ来てくれてありがとう」などと声をかけるでしょう。

お客様がわざわざ時間を割いて電話をかけてくださった時も同じです。多くの場合、「お忙しい中ご連絡ありがとうございます」というような言葉をかけるのが適切です。

関連記事:顧客を待たせない!コールセンターの「ピークマネジメント」4つのポイント

共感が伝わる8つの応対方法

共感するためには、まず相手の話を聞いて、気持ちを理解する必要があります。では、その具体的な方法を8つ考えてみましょう。

お客様が口にした心情を復唱する

お客様が口にした心情を復唱するのは、共感が相手に伝わる最も基本的で簡単な方法です。お客様が心情を口にしてくれた時は漏れなく、共感の言葉をかけるようにしましょう。

オウム返しのようにそのまま復唱するのではなく「~と、お感じになったんですね*2など、少しだけ言い換えて復唱するだけで、「この人は私の気持ちをわかってくれる」と感じてもらえます。

お客様の立場になって想像力を働かせる

人の気持ちは目に見えない上に、電話での対応は表情が見えないので、お客様の気持ちを理解するためには、声の調子、状況を読み取るだけでなく、お客様の立場になって考える想像力も必要です。

自分が同じ経験をしたらどう感じるかを想像してみてください。言葉のニュアンスや声の調子に注意を払うなら、「なぜそう言ったのか」「相手がどう感じているか」に視点が移り、お客様の気落ちをより深く理解できます。

臨機応変に抑揚をつけた相槌を打つ

「はい」や「左様でございますか」を繰り返すだけの単調な相槌が続いてしまうと、本当に関心を持って聞いているのか、お客様に疑問を抱かせてしまう可能性があります。

同じ言葉でも抑揚をつけるだけで印象が変わるため、声の高さやスピードに変化をつけましょう。

例えば、抑揚なく「左様でございますか」というのと、驚きを表現するように「左様でございますか!」というのでは全く違う印象を受けます。

他にも頻繫に使える相槌の例を挙げておきますので、いくつか使い分けていきましょう。

相槌の例

  • 「それは心配でございますね」
  • 「それは素晴らしいですね」
  • 「それは大変でございますね」
  • 「かしこまりました」
  • 「仰る通りでございます」

ベテランオペレーターが普段使っている相槌を参考にするのも良いかもしれません。

お客様の気持ちを察して共感する

お客様の中には気持ちをうまく言葉にできなかったり、遠慮して言い出せなかったりするお客様もいます。気持ちを察することができた場合には、その気持ちを代弁してあげましょう。

例えば、電話口の向こうで子供の泣き声がした時、お客様は気になっているはずです。そのまま話を進めるのではなく、「お子様は大丈夫でしょうか?よろしければお待ちいたしましょうか?」と声をかけるなら、お客様はオペレーターの優しい気遣いを感じ、嬉しく思うでしょう。

効率の観点からすると得策ではないように思うかもしれませんが、お客様はオペレーターを「待たせている」という自覚があり、なるべく早く電話口に戻ってきてくれます。

また、より協力的に話を聞いてくださるようになり、画面の操作や書類の返送など、オペレーター側からお客様にお願いしなければならない場合でも快く応じてくださるでしょう。

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お客様のペースに合わせて応対する

相手の状況に応じて話すスピードを変えると、自分の共感の度合いがお客様に伝わります。例えば、お客様から次のように早口で言われたとしましょう。

「これから電車に乗るんだけど、払ったはずなのに請求書が届いたのよ!確認して!」

このようなケースは行き違いであることがほとんどですが、次のような言葉をかけられます。

ご心配おかけしてお申し訳ございません。お急ぎのところ恐れ入りますが、すぐにお調べいたしますので、全体で2分ほどお時間頂けますでしょうか?」

このように、まず心配をおかけしてしまったことへの謝辞や共感、また、すぐに解決する姿勢を伝えることができます。

また、「これから電車に乗る」ということは、ほんの数分しか時間がなく、スピーディーな回答を求めているのが伝わってきますので、無理なく聞き取れる程度に話すペースを早めて、お客様の状況を理解していることを示せます。

内容としては「入金状況の確認」という非常にシンプルな問い合わせなので、本人確認から回答まで2分もあれば対応できるでしょう。

一方、ご高齢のお客様からの問い合わせは、多くの場合ゆっくり話す方が親切です。

できることを強調し、クッション言葉を使う

相手の意見を否定してしまうと共感が通用しなくなる恐れがありますので、できる限り避けてください。

しかし、時にはお客様のご要望に沿えない場合もあります。そのような場合には、クッション言葉を使ったり、できることを強調したりして意見を伝えしましょう。

クッション言葉とは、言葉のニュアンスをクッションのようにやわらげる言葉のことです。

例えば下記のように、移転先が新たに宅地となり、番地が決まっていない場合の光回線の移転手続きについて考えてみましょう。

お客様:「引越し先の番地が決まってないんだけど、手続きできますか?」

オペレーター:「前もってご相談頂きありがとうございます。ご要望に沿えず申し訳ないのですが、番地が決まっていない状況ではお手続きは承れません。しかし、決まり次第ご連絡頂ければ、すぐに手配させて頂きます。また、万が一お引越しのお日にちまでに光回線の開通工事ができない場合でも、前もってモバイルルーターをお貸し出しできますので、ご安心ください。

上記の例はそもそも不可能なご要望ですが、まずお電話頂いたことに感謝し、現状では承れない旨を柔らかく丁寧にお伝えしています。

もし、番地が決まったら再度連絡するよう促すだけで終わってしまっていたとしたら、顧客は「仕方ない」とは思いながらも、やや不満に感じてしまうかもしれません。しかし上記の対応では、再度ご連絡頂いた際にはすぐに手配する姿勢を示しています。

さらに、この状況では「移転日までに手配が間に合わないのではないか」と、お客様が「不安になるだろう」と予測して、モバイルルーターを貸し出せることをお伝えしています。

このように、できないことをお伝えしなければならない状況でも、お客様の心情を先回りして予測し、お客様が心配・不安・不満に感じないように説明して最善を尽くす姿勢を見せると、印象がグッと良くなるでしょう。少し高度ですが、経験を積めば十分に可能な対応です。

アクティブリスニング

共感しているのが最も効果的に伝わるのがアクティブリスニングです。

アクティブリスニングとは、簡単にいうと、受け身で聞くだけでなく積極的に質問しながら聞くことです。深い関心をもっているのをアピールでき、相手に気持ちよく話してもらえます。

例えば、「申し込み時の説明と違う」と言われた時に、次のようにアクティブリスニングができるかもしれません。

「左様でございましたか。せっかく期待してお申し込み頂きましたのに、不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。差し支えなければどのような点が申し込みの際の説明と違っていたか教えて頂けますか?」

「申し込み時の説明と違う」という言葉だけでは、事実確認はできませんが、まず「お客様に不快な思いをさせてしまった」という事実に対して謝罪することで、感情的な不満を少しやわらげられます。

また、アクティブリスニングは、話し手自身が話している内容をより深く考えるきっかけになり、問題の本質を捉えたり推論したりして自己解決に至る場合さえあります。そのため、オペレーターだけでなくSVや管理者も身に付けておきたいスキルです。

下記の「5W1H」を活用して問いかけるのも一つの方法です。

  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • How(どのように)
  • Why(なぜ)

お客様の味方になる

驚かれるかもしれませんが、共感を極めるとクレーム案件でもお客様と友好な関係を築き、お客様の味方になって一緒に問題について考え、解決策を模索できるようになります。

しかしこれは、お客様と一緒になって会社と対立するという意味ではありません。お客様の気持ちに最大限寄り添い、企業とお客様の仲介をするということです。

クレーム案件の中にもお客様の仰ることが「一理ある」と思える場合があるでしょう。例えば、上記「7.アクティブリスニング」の項目で言及した「申し込み時の説明と違う」という状況について、もう少し詳しく考えてみましょう。

お客様の説明によると、実は代理店で受けた説明は非常に誇張されていて、確かに「実際のキャンペーン内容とは異なる」と思えるかもしれません。その後、代理店に対してお客様が説明を求めても、「失礼で不誠実と思える対応だった」とのことです。

そのような場合には、義憤にも似た感情を込めて次のようにいえるかもしれません。

「確かにその代理店の対応は良くないですね。お客様がそのようにお感じになるのもごもっともでございます。お客様、もしよろしければこの件を私に預けて頂けませんか?私から責任をもって代理店に取り次がせて頂き、然るべき対応を取るよう申し伝えたいと思います。」

普通なら「代理店であっても同じ会社だ」とお客様は考えますので、不満はオペレーターにぶつけられます。

しかし、本当に親身になって共感しているのがお客様に伝わり、謝罪すると、「キツイこと言ってごめんね、あなたに言ってるんじゃないからね」と仰って頂くケースが多々あるのです。

さらには、「この人なら信頼できる」と感じて頂けるなら、好ましくない結果になったとしても、「あなたに対応してもらえてよかった」とさえ言っていただけるようになります。

関連記事:コールセンターのクレーム対応のコツ

共感すべきではないケースとは?

お客様の気持ちは最大限尊重すべきものですが、「何でも共感すれば良い」というものではありません。

例えば、お客様がご立腹のあまり解約しようとする場合があります。

製品によっては、解約のタイミングで違約金だけでなく、本来一定の期間継続すれば無料になるはずだった初期費用まで請求され、高額になるケースもあります。

お客様の気持ちには理解を示しつつ、お客さまの不利益にならないよう契約内容や注意点を正確に伝えましょう。

どんなトラブルだったかにもよるかもしれませんが、お客様のためを思う姿勢であれば、少なくとも対応したオペレーターに対しては良い印象をもってくださいます。

共感の注意点

共感して人の気持ちを大切にできるのはとても素晴らしいことですが、負の感情に際限なく共感してしまうと、自分自身に精神的なダメージを蓄積させてしまいます。

「人を大切にする」ということは「自分自身も大切にする」ことでもあります。心のバランスが崩れないように、仕事が終わった後までマイナスの感情を引きずらないようにしましょう。

社内関係・人間関係への応用

共感力を持っている人は、会社内で非常に貴重な存在です。いつでも寄り添ってくれるので、何でも気軽に悩みや心配ごとを相談でき、良好な関係を築けるようになるからです。

上司が共感力を持っていると、部下から信頼され、チームワーク良く効率的に仕事を進められます。

また、共感力は社内のこんな課題を解決する可能性も秘めています。

  • 精神的な不調者の増加
  • 休職・退職者の増加
  • 部下・上司とのコミュニケーションが苦手

友人だけでなく、職場の同僚などに、「この人ならわかってくれる」「この人なら信頼できる」と思ってもらえたら、良好な人間関係を築いてストレスの少ない日常生活が送れるでしょう。

共感力は人を鼓舞し、力を生み出す原動力になり得るのです。

まとめ

本記事では、共感が伝わる8つの応対方法を解説してきました。

研修によって共感力を強化すると、顧客満足度を向上させるだけでなく、社内関係や人間関係にも役立ちます。

CallConnectは通話録音や、モニタリング機能があります。オペレーターが共感しながら会話ができているかを確認するには、実際の通話を確認するのがオススメです。

「オペレーターの実際の会話を通話録音などで確認できるようにしたい」という方は、無料トライアルをお試しください。

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*1:CX=Customer Experienceの略。和訳では「顧客体験価値」という意味です。商品やサービスを初めて認知した時から、購入後にコールセンターに問い合わせるなど、顧客が企業と関わるすべての体験を指しています。

*2:「共感が伝わる8つの応対方法」の見出しの中の、共感を表すセリフ部分はオレンジ色クッション言葉には下線を引いて表記しています。