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Webサービスにおけるオンボーディングの重要性と実施のポイント 

こんにちは。「CallConnect」ライターチームです。

近年Webサービスを導入する際に重視されている「オンボーディング」という言葉を知っていますか?

オンボーディングはこれまで別の意味で利用されることが多く、「Webサービスにおけるオンボーディング」といわれてもよくわからない方が大半だと思います。

そこで今回は、オンボーディングの概念を理解したうえで、Webサービスを利用する際に重視される理由や実施のポイントについて解説します。

現在ではBtoBやBtoCなどの業態にかかわらず、オンボーディングという考え方は無視できない概念です。この機会にぜひ知識を深めておきましょう。

Webサービスにおけるオンボーディングとは

そもそもオンボーディング(on-boarding)とは、船や飛行機に乗っている状態を示す言葉です。

船や飛行機に乗ると、出発までのあいだに乗務員が搭乗中の注意事項や避難方法などの説明をしてくれます。そこから派生し、ビジネス界隈では、入社したての社員に向けた「新入社員研修」のことをオンボーディングと呼んでいます。

一方、SaaSなどのWebサービスにおけるオンボーディングは、顧客に対し自社製品やサービスの「使い方」や「何が実現できるか(目的)」などを理解してもらえるよう、企業側がサポートすることを指します。

≪SaaS≫

Software as a Serviceの略で、インターネット経由でソフトウェアをユーザーに提供するサービスのこと。

SaaSビジネスでオンボーディングが重視される理由

Webサービスにおけるオンボーディングは、SaaSビジネスでとても重視されるようになっています。

この章では、SaaSの概要とオンボーディングとの関係を解説します。

SaaS(Software as a Service)とは

SaaSとは、インターネット上のサーバーにあるソフトウェアを顧客が自由に利用できるサービス形態のことです。

サーバーにソフトウェアが存在しているため、パソコンやスマートフォンなどの機器にソフトウェアをインストールする必要がありません。

SaaSの特徴として、インターネット上でのデータの保存・複数人での使用が可能・マルチデバイス対応といった点があげられます。

また、SaaSのサービスは、買い切りでその後ずっと利用できるインストール型とは違い、月額制・年額制(サブスクリプション)で、料金を支払っている間のみ利用できるものが多数を占めています。

一般的に広く知られている代表的なSaaSサービスの例をあげると以下の通りです。

≪SaaSサービスの例≫

・Microsoft Office 365

・Dropbox

・Salesforce

・Evernote など

この例からわかるように、ビジネスシーンだけでなくプライベートでも、私たちの生活の中には多くのSaaSサービスが存在しています。

カスタマーサクセスの実現にオンボーディングは必要不可欠である

カスタマーサクセスとは、顧客に自社の製品やサービスを利用してもらうだけでなく、その過程で顧客を成功に導くための取り組みや概念を指します。

※ここでいう成功とは、顧客が製品やサービスを利用することで手に入れた「成果」のことです。

SaaSビジネスの多くは、月額制または年額制で課金を促し、収益を得る仕組みです。そのため、長期間にわたって利用してくれる顧客を確保できれば、それだけLTV(顧客生涯価値)の向上につながります。

オンボーディングは、顧客の製品・サービスに対する理解をサポートする働きかけです。そのことから、カスタマーサクセスの実現や顧客の定着という点から見ても、SaaSビジネスにおいてオンボーディングは必要不可欠な概念となっています。

Webサービスでオンボーディングを実施するメリット

Webサービスでオンボーディングを実施するメリットにはさまざまなものがあります。

今回はその中から3つのメリットについて解説します。

解約の防止につながる

SaaSサービスの特徴である月額制・年額制は買い切りの場合と違い、顧客の好きなタイミングで解約できます。

そのため企業側は、サービスの質を向上させるなどの解約防止策を検討し、LTVの最大化を図る必要があります。

オンボーディングによる自社サービスへの理解促進は、サービスから得る成果や恩恵を顧客がより具体的に実感する機会となり、解約防止策としても有効な手段のひとつです。

サービスの継続利用を促せる

SaaSのサービスの中には機能性や専門性が高いあまりに、顧客が性能を引き出すまで時間のかかるものもあります。

そのため、顧客へのサービス知識や理解に対するサポートが不十分だと、すぐ別のサービスへ移行されかねません。

そこで、オンボーディングによってサービスの基本的な知識や理解を浸透させたあと、顧客の利用状況(多用している機能・利用頻度など)に則した支援を継続的に実施します。

これによって顧客は自身の利用状況に最も適したサービスの活用が実現でき、「もっといろいろな機能を有効活用したい」と考えるようになります。その結果として、サービスの利用を促す効果が期待できるのです。

顧客単価の向上

オンボーディングの実施により顧客のサービスに対する知識や理解が向上したら、さらに単価の高いサービスへ移行してくれる可能性も高くなります。

顧客単価の向上には代表的なものとして、アップセルとクロスセルがあります。

 

≪アップセル≫

商品の導入を検討している、または利用しているユーザーに対し、利用中のサービスより高額な上位モデルに乗り換えてもらうこと

≪クロスセル≫

ある商品やサービスを検討している、または利用しているユーザーに対して、別の商品を同時に購入してもらうこと

 

アップセル・クロスセルは、ともに顧客が現在のサービスやサポートに満足していなければ案内が難しい営業方法です。

そのため、オンボーディングなどを実施した顧客との信頼関係が重要となります。

オンボーディングの代表的な3つの手法

オンボーディングは、顧客のサービスに対する知識や理解に応じて段階的に進めていくと効果が高いとされており、上から「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」と呼ばれる手法があります。

≪ハイタッチ≫

ハイタッチは大きな利益をもたらす顧客に限定して行われる個別対応のことです。

例として、顧客企業に訪問してのサポートやスタッフへの勉強会などを定期的に実施します。

≪ロータッチ≫

ロータッチはハイタッチほどコストをかけず、ひとりの担当者が複数の顧客対応を行うことです。

例として、セミナーの実施やコールセンターのオペレーターによる対応などが該当します。

≪テックタッチ≫

テックタッチはロータッチよりさらに人的リソースを割かない方法で行われる顧客対応です。

例として、解説動画の作成や自社サイト内にFAQを設置するなど、顧客によるセルフサービスでのサポートを基本とします。

 

はじめはハイタッチによる丁寧なオンボーディングを実施し、最終的には顧客がみずからサイトなどを確認して課題解決ができる状態になるのが理想的です。

オンボーディングの成功には顧客体験の向上が重要

オンボーディングを成功させるためには、顧客体験(CX)の向上を図らなければなりません。

顧客体験とは顧客が商品を知り、購入・使用・問い合わせなどをする間、そこに発生する企業との接点期間のことです。

例えば、顧客がサービスの疑問点をコールセンターへ問い合わせした際、オペレーターが横柄な態度だったらどうでしょうか?きっとそのサービスだけでなく、企業に対するイメージも悪くなるはずです。

参考までに『コールセンター白書2021』に掲載されたアンケートをご紹介します。

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  • 出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P118

全体的には「満足」とする回答が多い一方、「あまり満足しなかった」「不満」「不満を通り越して憤りを感じた」などの意見もありました。

効果的なオンボーディングには質の高い顧客体験の提供が必要です。いま一度、自社の顧客体験向上に向けた取り組みがうまくいっているか確認しましょう。

Webサービスにおけるオンボーディングはビジネスの成功を左右する

SaaSなどのWebサービスの成功は、オンボーディングの成功なくしては実現できません。

顧客に自社サービスの良さを理解してもらい、継続利用してもらうためにも、今後さらにオンボーディングによる顧客サポートを有効活用していきましょう。

≪参考書籍≫

  • 「コールセンター白書2021」

月刊コールセンタージャパン編集部/株式会社リックテレコム/2021.10.26